防犯カメラの設置には賛成?反対?
- 防犯コラム
- 2019.10.21 月曜日
防犯カメラの設置について賛否両論
防犯カメラの設置について、賛成か反対かをテレビや各種アンケートで質問しているのを最近よく見かけます。
以前に比べて、防犯カメラに対する意識や注目が高まっている事の現れであり、賛成にせよ、反対にせよ、意見が出ることはとてもいいことだと思います。
この賛成意見と反対意見については、近年の傾向では「防犯カメラには犯行抑止力がある。防犯の目的を達成するために防犯カメラは必要だ」という意見と「防犯カメラで知らず知らずに自分の姿を撮影されることはプライバシーの侵害では?」という意見のぶつかり合いのようになっています。
そして、大勢は防犯カメラ必要派に傾いており、「公共での場所の防犯カメラによる撮影はプライバシーの侵害には当たらない」「プライバシーの問題よりも、公共の利益(防犯カメラによる犯罪の減少)」の方が重要だ、という論調が、少数派である「防犯カメラ・プライバシー侵害論」を圧倒して、防犯カメラの設置が進んでいる様相です。
しかしながら、この意見はどちらかが間違っていて、どちらかが正しいという理屈でも、防犯カメラ設置派が多数だからその意見が尊重される、という性質の物でもないはずです。
両方の意見が正しいと弊社では考えています。
防犯カメラとプライバシー
「防犯カメラがあると犯罪が減少する」「防犯カメラがあれば犯人が捕まりやすい」という所には大いに賛成します。
逆にもしそうでなければ、防犯カメラはお金ばかりかかって意味のない物になってしまいますし、実際に警察による防犯カメラの活用により、事件の早期解決が実現しています。
しかし、だからと言ってプライバシーの問題を押さえつけても構わない、とは全く思いませんし、公共での防犯カメラによる撮影はプライバシーの侵害には当たらないので問題ない、とも思いません。
そして一番気になるのは、この「防犯カメラとプライバシー」の問題について、対立する意見のように扱われている事です。これは相反する概念ではないため、防犯もプライバシー保護も両方実現しなければいけない、と感じます。
逆にプライバシーの侵害だから防犯カメラを設置してはダメだ、というのも言い過ぎな気がします。「プライバシーの侵害にならないように防犯カメラを設置すべきだ」という意見でないと、ただ「防犯カメラは嫌い」と言っているのと変わらなくなります。
双方が0か100かの論調になりがちな状況は、防犯カメラに対する意識が発達してきている過程でどうしても起こりうることだとは思いますが、そろそろその中間点で最も適切な位置を探り始めてもいいような気もします。
防犯カメラの効果をしっかり発揮させつつ、プライバシーの侵害を回避する方法は、「倫理」と「運用方法」がキーになります。
すべては防犯カメラを使う人が、どのような考えで、どのように使っていくかで解決できることです。
例えば街中の防犯カメラについては、「映像は犯罪が起きた時に警察の捜査で使用する」「それ以外の映像閲覧や再生やデータ公開はしない」等の規定で運用すれば、犯罪の減少や早期解決にはつながり、映っていた人々の姿は、警察が必要最小限で見るだけになります。
市区町村の防犯カメラ運用は、上記のような規定がしっかり決められて運用されることが多くなってきており、非常にバランスの取れた判断をしていることが分かります。
また、JRや名だたる大企業も、市区町村とかなり近しい運用を始めています。
徐々に同様の倫理観や運用方法が広まっていくことが期待されます。
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