【茨城県・阿見町】盗難車の解体ヤード
- 車両・重機の盗難事件簿
- 2017.05.30 火曜日
阿見町の業者が盗難車を解体
2017年5月、茨城県警は盗まれたハイエースを買い受けた疑いで、茨城県稲敷郡阿見町の解体業の親子3人を逮捕しました。
容疑者が管理する解体作業所で、盗難車とみられる複数台の車両の部品が見つかり、警察は親子3人が盗難車を解体し、海外に転売していたとみて余罪を調べています。
容疑者は容疑を否認しているとのこと。
茨城県南に点在する解体ヤード
茨城県県南は近年自動車の窃盗事件が急増し、全国で最も盗難が多いエリアとなっています。
その被害の多さから、昨年茨城県警で「違法ヤード規制条例」の発案があり、2017年4月から解体ヤードが届け出制に変更され、正式な届け出の無い解体ヤードの新設が不可能になり、また既設の解体ヤードでも車両の買取の際に売り主の情報を保存するように変更され、違法行為の行われにくい法整備が成されています。
そういった警察の動きから、窃盗グループが活動の拠点を県南から茨城県県北、福島県県南に移動しているような傾向も見受けられます。
今回の事件は、茨城県阿見市の解体業者が摘発されており、こういったことから泥棒の盗難車を買い取る業者が県南にはやはり多く存在し、その地域は坂東市やその周辺だけでなく県南全域に点在しているだろうことや、条例施行後も違法ヤードの運営は一部行われていたことが想像されます。
また、今回の逮捕までの経緯は発表されていないため、詳細は不明ですが、条例が施行されたことで、警察による既設の解体ヤードへのチェックの目が厳しくなっており、今後も引き続き茨城県内でのヤードの取り締まりが続き、茨城県内での違法解体の件数は減ってくるものと思われます。
しかし注意すべきことは、今後茨城県内での盗難車買い取りや違法解体が減っていっても、県内での盗難が激減するとは限らないことです。
警察が違法ヤード摘発を行ったエリア(千葉・愛知)では、一時的に車両盗難数が激減しましたが、その後、盗難車の買取と違法解体は近隣県で行い、盗難と輸出は摘発があった県で行う事例が多発しています。
車両窃盗グループにしてみれば、摘発が行われたエリアはそもそも運送会社や建設会社の駐車場が多く、トラックなど盗みのターゲットになる車両が他県よりも圧倒的に多い、という特徴がある為、窃盗エリアから外したくないのかもしれません。
茨城県の事例で見れば、隣接している埼玉県・栃木県・福島県で違法ヤードの摘発・規制が行われていないことから、茨城県内で盗み、近隣県に持ち込む、という動きが予測されます。
車両の窃盗は、近隣県も含めた広範囲で違法ヤードの摘発・規制が行われ、輸出港での取り締まりが厳しくならない限り、そのエリアから泥棒を締め出すことは難しいのかもしれません。
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